「超」精密入れ歯を検討中のご家族様へ
「母親がかなり高額な入れ歯の話を聞いてきたんだけど、どういうことなんだろう?」
「保険の入れ歯じゃダメなの?」
率直なところを院長に聞いてみました。
リハビリ入れ歯は、ちょっと頑張りが必要です
超精密入れ歯で、「リハビリ入れ歯あり(下記画像の歯ぐき部分が透明な入れ歯)」を選択された場合、リハビリ入れ歯をまだ使いこなせていない段階は、ちょっと頑張りが必要です。
リハビリ入れ歯のセットの時は歯科技工士さんが立ち会いますが、その次に「痛い」「噛めない」なとのステップを経ることが多いです。
リハビリ入れ歯セット後~リハビリ入れ歯で満足してもらうまでが、一番大変な期間です。
ご家族から「外しちゃっていました」「痛いんです」などご相談をいただくこともあります。
リハビリ入れ歯で、調整をしてひとつひとつクリアして、リハビリ入れ歯が使えるようになると、ファイナル入れ歯(最終的な入れ歯)にいくときは期待しかない状態になります。
「今の入れ歯(リハビリ入れ歯)でも十分」と言われることもありますが、ファイナル入れ歯を入れるとさらに噛み合わせがよくなり、より噛み切れるようになるし、いい咬合(こうごう:噛み合わせ)が作れます。
リハビリ入れ歯って、簡単な話じゃなく大変な道なんですね。
簡単にいく方もいますし、調整の時間が掛かる方もいます。
一旦リハビリ入れ歯で噛めるようになって「この入れ歯、手放せない」となった時は、ファイナル入れ歯にいくのは簡単です。
信頼関係だと思いますので、どんな些細なことでもお話しいただければと思います。
ご家族から費用的な面でNGが出ることもありますか?
入れ歯相談会で、アドバイザーさんの話を聞いてやろうと思ったけど、「やはり保険で」という人もいます。
ご家族が医院に来ることはあります?
いらっしゃる時もあります。
「超」精密入れ歯を、無理に押し切ることはしません。
一緒に来るということは、費用の面での気掛かりがあるということです。
信頼関係は一朝一夕に築けないので、保険でいったん保険でお作りしてどれくらいいけるか、それで保険だといまいちだなと思ったらそのときに自費をお考えになったらいかがでしょうか?とお話しします。
押し売りじゃないんですね。「自費を考えたけど、とりあえず保険」になってもいいんですね。
はい。
入れ歯かインプラントか?
入れ歯かインプラントか悩んでいる人もいると思います。
目安はありますか?
お口の中を診てみないと分からないですが、インプラントも悪い治療だとは思っていないです。
機能してメンテナンスをすればすごくいいものだと思います。
ただ、アゴの骨がなくて(歯ぐきがやせて)インプラントが打てないというケースがあります。
人工骨を入れれば打てないことはないですが、ご本人がどれくらいのものを許容できるかですね。
入れ歯のスタディグループがあるのですが、1年のうち2回はインプラントの勉強です。
年間に何本かはやっています。
入れ歯が得意な先生も、インプラントが得意な先生も、両方に精通していないといけないので、スタディグループで受講して勉強をしています。
お口の中の歯が全部なくなって最後インプラントだけが残っていて刺さって褥瘡(じょくそう:口の中の粘膜の炎症、皮膚でいう「床ずれ」)が出来ていることもあります。
かといって、訪問の先生はインプラントを撤去しようがないんです。
インプラントに精通していれば、スクリューで上部構造(インプラントのかぶせ物の部分)だけ外して、スリープ(インプラントの歯ぐきの中の「ネジ部分」だけにして蓋をする)させることできますし、訪問先でインプラントのネジが緩んでいたら締めることもできます。
状況を見て、出来る対処法を知っておかないといけないんですよね。
「超」精密入れ歯は、こうやって作られます
「超」精密入れ歯は、200以上の工程を経て作られています。
詳しくはコチラ
一口メモ:歯を失うことについて
ご家族の方は、自分自身全部歯がある方が多いと思く、なかなか入れ歯の人の気持ちは分からないと思うんです。
ごもっともです。
実際、厚生労働省のページにあるデータを抜粋しました。
事実1:後期高齢者(75歳以上)の平均値は約16本
図1: 一人あたりの歯の数の平均値(年齢階級にみた一人平均現在歯数)[1]
出典:e-ヘルスネット
成人の本来の歯の本数は「32本」です。
親知らず4本(上下左右)を抜いた場合、「28本」です。
歯の本数は、年齢が高くなるほど少なくなり、高齢者では歯のない人が多くなります。
【図1】は2016年に行われた全国調査(歯科疾患実態調査)における一人あたりの歯の数(一人平均現在歯数)を年齢階級別に示したものですが、高年齢層ほど値が低く後期高齢者(75歳~)では、本来持っている歯の数(28本)の半数近くが失われています。
(後期高齢者で20本以上の歯を持つ人は46%です。)
事実2:後期高齢者約3割の人が総入れ歯
引用元:厚生労働省e-ヘルスネット
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」> 歯・口腔の健康 > 歯の喪失 > 歯の喪失の実態
(最終更新日:2020年7月28日)
高齢になると残っている自分の歯の数は少なくなり、後期高齢者(75歳以上)の平均値は約16本で、約3割の人が総入れ歯を使っています。